『テンバイ』
科 名 バラ |
和 名 テンノウメ(天梅)、別名・イソザンショウ、ハマザンショウ |
漢 名 小石積 |
沖縄名 テンバイ |
学名 Osteomles subrotunda K,Koch |
分布 鹿児島県、屋久島以南、奄美諸島、沖縄諸島、台湾 |
特性
常緑広葉樹で低木つる状、海岸地に群生し、高さ50〜60cmで分岐した枝は根を張りながら地、岩上を7〜10mも這い伸びる。若木の樹皮は淡灰黒色で平滑に対して古木は黒く縦浅裂し荒れている。
葉は互生奇数羽状複葉で長さ10cm以内、小葉15個くらいで倒隋円形、長さ4〜8mm、幅2〜4mm(大小有)で革質、全緑、深緑、照葉、柔白毛有り(無毛ある)。
花は前年の秋から冬、春に萌芽した若枝に白色、五弁花で径10mm以内、3〜5月に咲く。実は球形で径5〜10mm、緑から紅褐色に変わり7〜10月に黒褐色に熟する。
現在、宮古島の東平安名岬にテンノウメの群落があり、採り出されることなくよく保護されている。自然のテンノウメの観察と生理生能を学ぶ上で、大変重要である。
テンノウメ(天梅)は『天の星のような小さな梅の花』に例えられ、別名のイソザンショウ(磯山椒)は『磯の岩上に生ずる山椒に似た植物』から名付けられている。
テンノウメの盆栽としての魅力は、沖縄の樹種は春から夏、秋に見せ場が多いのが、テンノウメは冬から春にかけて、小葉の新緑から深緑の照り葉、白く清純な小花を魅せてくれます。
テンノウメは順応範囲が広く、本土の関東以南の気候にも適応し、愛好家は沖縄だけに止まらず、沖縄の樹種が広く本土の多くの愛好家にも、貴重な樹種として愛育されていることに、共通した喜びと豊かさを感ぜずにはいられません。